10歳までに睡眠時無呼吸がある子供に高血圧を発症する可能性

2021年5月21日（AHA-アメリカ心臓協会ニュース）-　思春期までに改善がない閉塞性睡眠時無呼吸症の子供は、呼吸の問題がない子供と比較して、10代での高血圧のリスクは約3倍であることが、新しい長期研究で示されています。

しかし、青年期に睡眠時無呼吸がなくなった子供ではリスクの増加は見られません。

睡眠中に呼吸が一時停止する閉塞性睡眠時無呼吸と血圧の問題は以前から関連しているとわかっています。

しかし、この研究の筆頭著者であるジュリオ・フェルナンデス・メンドーサ氏は、子供たちの問題を徹底的かつ長期的に調査した研究者はほとんどいないと述べました。

彼は、ペンシルバニア州ハーシーにあるペンシルバニア州立大学医学部の睡眠研究治療センターの准教授です。

査読付きジャーナルに発表されるまで予備的と見なされますが、この調査結果は、米国心臓協会の疫学、予防、ライフスタイル＆心臓代謝健康についてのオンライン会議の中で、金曜日に発表されました。

アメリカ睡眠医学会によると、睡眠時無呼吸には3つのタイプがあり、気道閉塞によって引き起こされる閉塞性睡眠時無呼吸が最も一般的です。

AHAは、睡眠時無呼吸である成人は約3,000万人であるが、ほとんどの場合診断されていないと推定しています。

しかし、それは多くの子供たちにも影響を及ぼします。

新しい研究は、睡眠研究であり、一晩監視された5歳〜12歳の421人の子供を対象としました。それらの子供たちのうち、約12％は少なくとも軽度の閉塞性睡眠時無呼吸症でした。

7年以上の追跡調査が行われた後、ほとんどの子供が12歳～19歳のときに、睡眠時無呼吸は約半数強の子供で消えていました。

フェルナンデス・メンドーサ氏によると、子供たちはしばしばこの問題を解消していました。

性別、人種/民族、年齢、肥満のレベル、子供が扁桃腺またはアデノイドを除去したかどうかなどの要因を調整した後、研究者は、睡眠時無呼吸が青年期まで持続した子供は、問題がなかった子供よりも高血圧になる確率が2.9倍高いことを発見しました。

睡眠時無呼吸が10代で始まった場合、高血圧になる可能性は1.7倍高くなりました。

閉塞性睡眠時無呼吸症は、一部の子供では扁桃腺の肥大やアデノイド（腺様増殖症）などの問題によって引き起こされる可能性がありますが、肥満は重要な要因であるとフェルナンデス・メンドーサ氏は述べています。

デラウェア州ウィルミントンにあるヌムール/アルフレッドI.デュポン小児病院の小児予防心臓病プログラムのディレクターであるカリッサ・M・ベイカー・スミス博士は、この研究はその長期的アプローチという点で「重要」であると述べました。

彼女はまた、この研究は、子供の睡眠の質を子供の高血圧の危険因子として考慮することの重要性を強調していると述べました。

「この研究が示すものは、肥満などの他の既知の危険因子を調整した後でも、子供が高血圧になる理由の1つに、閉塞性睡眠時無呼吸症があるということです。」

と、この研究に関与していなかったベイカー・スミス氏は述べています。

睡眠、高血圧、肥満は心臓病に関しての絡み合っている要因だと彼女は言います。

若い人では、そのような要因は、治療されない場合、成人期のより進行した心臓病の前兆になります。

高血圧は深刻な状態をもたらす可能性があるため、子供の睡眠の質に注意を払うことが重要であり、無呼吸の診断を無視してはならないとベイカー・スミス氏は述べました。

それでも、睡眠中にいびきをかく全ての子供が睡眠時無呼吸であるわけではないとフェルナンデス-メンドーサ氏は述べました。

しかし、大きないびき（寝室のドアから聞こえるいびき）が最も一般的な指標です。その他の指標には、神経過敏または日中の過度の眠気などがあります。

時には、子供の扁桃腺を取り除く必要があります。

しかし、多くの場合、治療には慎重に行われる減量と、気道を開いたままにするためにマスクを通して空気を流通させるさまざまな種類の気道陽圧療法が行われると彼は言います。

フェルナンデス-メンドーサ氏の両親へのアドバイスは、子供のいびきがかわいいとか、太りすぎが普通だと思い込まないことです。

それを真剣に受け止め、小児科医に相談してください。そして潜在的に子供には睡眠調査を行い、それで評価を行うようにしてください。

小児科医は、睡眠時無呼吸を全身の問題と見なす必要があると彼は述べました。

フェルナンデス-メンドーサ氏は、現在30歳になる成人を子供のころから追跡し続けており、今後、他の心臓関連の問題について報告する予定です。

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Healthday