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COVID下での心臓発作と高血圧

それは、コレラでもなく、カリブ海でのいつぞやの時代を舞台にしたラブストーリーでもありません。

本物のパンデミックです。

新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2は、COVID-19と呼ばれる多くの症状を伴う独特の病気を引き起こしています。

高齢の患者や、高血圧や心血管疾患などの既存の疾患がある患者は特にこのウイルスには脆弱です。

 COVID-19は高血圧の治療にどのように影響したのでしょうか。

高齢の患者や男性は、女性や子供と比較して、COVID-19になりやすい傾向があります。

何故でしょうか。

 SARS-CoV-2は、ACE2と呼ばれるタンパク質を介して細胞へ侵入し体に感染します。

 ACE2は全身に見られますが、特に肺と心臓に集中しています。それがCOVID-19による呼吸障害の重症化を説明している可能性があります。

 ACE2のレベルが上がると、理論上、コロナウイルスが感染する標的が増えます。

 ACE2は、ADAM-17と呼ばれる別のタンパク質とも相互作用します。

コロナウイルスがADAM-17を活性化し、それがホルモン系を刺激し心血管疾患を悪化させると仮定されています。

また、激しい炎症反応を引き起こし、全身の組織に損傷を与えます。

男性の方が女性よりもACE2の濃度が高いことが示されています。

これは、男性が女性と比較してウイルスでの転帰が悪い理由を説明するかもしれません。

同様に、子供たちの感染率が低い一方で、高齢の患者は転帰が悪化します。

研究では、ACE2濃度は子供では低く、年齢が上がるにつれて増加することが示されています。

特定の血圧薬はACE2に影響を与える可能性があり、パンデミックの初期には、これらの薬によって患者がウイルスに感染しやすくなるのではないかといった疑問がありました。

 

ACE阻害剤(リシノプリルやラミプリルなど)、ARB(ロサルタン、バルサルタン、オルメサルタンなど)は、高血圧やうっ血性心不全の治療においては主力となる薬剤です。

ACEとARBは、体内のACE2を増やすことで機能します。

ACE2が増加した結果、これらの薬剤はCOVID-19感染のリスクを増加させるのでしょうか?

また、これらの薬はウイルスによる転帰の悪化と関連しているのでしょうか?

現在、数か月にわたるウイルスのパンデミックと数百万件の症例からデータが出ています。

中国、イタリア、そしてニューヨーク市での研究は、ACEとARBの薬物療法がSARS-CoV-2感染の可能性の増加とは関連していないことを示しています。

さらに、ACEおよびARBの投薬は転帰の悪化とも関連していません。

実際、ACEまたはARBを使用していた患者は、これらの薬剤を使用していない患者よりも病院で死亡するリスク低いことがわかりました。

他の高血圧薬はどうでしょうか?

ニューヨーク市のデータによると、ベータ遮断薬(メトプロロールなど)、カルシウムチャネル遮断薬(アムロジピンやジルチアゼムなど)、または利尿薬(ヒドロクロロチアジドなど)を使用している患者でも、COVID-19での検査の陽性やCOVID-19感染のリスクは増加していません。

この情報が得られる前でさえ、アメリカ心臓病学会は患者には血圧薬の投薬を続けるように推奨しています。現在、より多くのデータが確認されているのでこのアドバイスは賢明です。

世界的なパンデミックにより世界中でストレスレベルの上昇が起きているため、心臓の薬物治療を続けることは特に重要です。

ストレスは自分がウイルスに感染し重病になるのではと配することによって引き起こされます。

検疫により感染が確認された人々は家族や友人から遠ざけられ、社会的な孤立が高まります。

次に、経済的影響があります。

失業したり、家賃や請求書の支払いについて心配することはすべて不安レベルを上げます。

通常、心理的ストレスが増加すると、それに付随して心臓発作の数が増加します。

現在のパンデミックではそうではありません。

イタリアやカリフォルニア州、ボストン市の調査によると、パンデミック中の心臓発作は、1年前の同じ期間と比較して48%減少しています。

これは局所的な現象ではなく世界的な現象と思われます。

さらに、アメリカ人の約半数は、パンデミック中は医療機関への定期受診を飛ばしたか延期していました。

一方、COVID-19が到来して以来、自宅での心停止が急増しました(ニューヨーク市では、自宅での心停止は、前年度と比較して800%増加したと推定されています)。

だから心臓発作が少ないのでしょうか?それとも病院でCOVID-19に感染するのを恐れて病状を無視し、そのために家で死んでしまったのでしょうか。

ここでは学ぶべきいくつかの教訓があります。

まず、ACE2とADAM-17はタンパク質の通称です。

二番目は血圧の薬は服用してください。

血圧の薬は安全であり、COVID-19の有害な心臓への影響に対しても保護効果があるかもしれません。

最後に、胸の痛みや息切れなどの症状を無視しないでください。

家で待っていてはいけません。

医師に電話をするか、緊急医療機関で手当てを受けて下さい。

それがあなたの命を救うことになるのですから。

 

【以下のリンクより引用】

Heart Attacks and Hypertension in the Time of COVID

Tapinto.net