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男性の脱毛症は遺伝の影響も

男性の脱毛症は遺伝の影響も

髪の毛が抜ける、細くなる。多くの人が悩む脱毛症。原因は加齢や男性ホルモンの影響、病気によるものなどさまざまです。

髪は毛周期と呼ばれる一定のサイクルを保ちながら「抜けては生える」を繰り返しています。これが何らかの原因によって抜ける毛髪が多くなると脱毛症となります。

男性の脱毛症で一番多いタイプは男性型脱毛症です。額の生え際からM字型に、あるいは頭頂部から円形に薄くなるタイプ。主な原因は男性ホルモンから変換されてできるジヒドロテストステロン(DHT)という物質です。
このDHTが発毛の司令塔である毛乳頭細胞にある受容体に結合すると髪の成長が抑制され、細く短い毛に置き換わってしまいます。このため、毛が抜けやすくなり、脱毛が進んでしまうのです。

男性型脱毛症は遺伝の影響が強いとされているので、ご家族にこのタイプの脱毛症が多い場合は発症しやすいといえます。早い人では思春期が終わった頃から症状が表れます。放置しておくと徐々に進行するので、気になる方は早めに対処しましょう。

対処法には大きく、市販されている外用の育毛剤や発毛剤を使うセルフケアと、医療機関での治療があります。脱毛があまり目立たない軽症の段階であればセルフケアを試してみるのも一考です。
きちんと対処すれば一定の効果が得られます。

ただし、「発毛、育毛」をうたう製品は玉石混交で、専門医から見てエビデンス(科学的根拠)の乏しいものもあります。
こうした背景から、日本皮膚科学会は男性型脱毛症のガイドラインを作成、専門医の立場から推奨できる市販品を成分とともに紹介しています(別項)。まずはこちらを参考に使用してみてください。

セルフケアを6カ月間実施しても効果が得られない場合は、医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
頭頂部などの地肌が透けて見える「中等度」以上の方は、最初から皮膚科に来ていただいた方がいいでしょう。
ただし、男性型脱毛症の治療は自費診療となります。また、治療ができない施設もありますので、あらかじめ問い合わせるようにしましょう。

治療では、高い発毛効果が確認されている外用薬の「5%ミノキシジル(商品名リアップX5など)」や内服薬の「フィナステリド(同プロペシア)」を処方します。
この二つは併用することもあり、患者さんの症状に応じて使い分けます。
フィナステリドはDHTの産生経路を阻害し、脱毛を防ぎます。薬が効くと健康な毛が生えてきますので、薄かった部分が濃くなります。個人差はありますが、治療開始から3カ月くらいで産毛が生え、6カ月〜1年で抜け毛が減ってくることを実感できます。

 なお、新しい薬としては内服薬のディタステリド(同ザガーロ)が近いうちに登場予定です。この薬はフィナステリドとは作用機序が異なり、これまでのお薬で効果がなかった方にもよい結果が期待できます。

記事元:http://mainichi.jp/premier/health/articles