電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 「パンデミックの可能性」:中国のブタから新型のインフルエンザウイルスが見つかる

「パンデミックの可能性」:中国のブタから新型のインフルエンザウイルスが見つかる

  • 中国のブタから新型のインフルエンザウイルスが発見されました。このウイルスは、「パンデミックウイルス」になる可能性があります
  • 中国の研究者チームは、「パンデミックウイルス候補となる重要な特徴全て」を持つH1N1の「G4」株を発見しました。
  • このウイルスは人間への感染力を高めており、ブタと関わりのある様々な労働者に見られました。
  • しかし研究者らは、パンデミック発生について差し迫ったリスクはないと考えています。


とある研究では、中国のブタから見つかった新型インフルエンザウイルスはヒトへの感染力が高く、「パンデミックウイルス」となる可能性に備えて注意深く監視する必要があると述べられているものの、専門家らは現状差し迫った脅威はないと考えています。

米国誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で発表された論文によると、中国の研究者チームが2011年から2018年にかけてブタから見つかったインフルエンザウイルスを調べた所、「パンデミックウイルス候補としての重要な特徴全て」を保有する、H1N1の「G4」株を発見したといいます。

また、筆者は養豚場の労働者は血中ウイルス濃度が上昇していることを指摘し、「人間集団、特に養豚業界の労働者の綿密な監視を早急に実施すべきだ」と付け加えました。

この研究では、特に何百万人もの人々が農場や繁殖施設、食肉処理場、生鮮市場の近くに住んでいる中国の人口密集地域において、種の壁を越えてウイルスが人間に感染するリスクが強調されています。

世界中でCOVID-19のパンデミックを引き起こしたコロナウイルスは、中国南西部のキクガシラコウモリが発生源であり、ウイルスが最初に見つかった武漢の魚市場を介して人間に拡大した可能性があります。

PNASの研究によると、ブタはパンデミックに繋がるインフルエンザウイルスの発生において重要な「かくはん槽」の役割を果たすと考えられており、問題の「体系的な監視」が求められています。

中国は2009年に発生した鳥インフルエンザの際も、対策として、影響を受けた国からの到着便を制限し、何万人もの人々を隔離しました。

この研究で特定された新しいウイルスは、2009年の鳥インフルエンザ亜種と、ブタから見つかりかつて流行したウイルス株の組換えです。

ワシントン大学の生物学者、カール・バーグストロム氏は、人間に感染する可能性はあるものの、新たなパンデミックが発生する差し迫ったリスクはないと語りました。

「5年間にわたる広範囲にわたるウイルス暴露があったにもかかわらず、G4が人間に拡大しているという証拠はありません。」と、同氏は本紙の発表後にTwitter上で述べました。
「これが、心に留めておくべき主要点です。」

出典 2020年6月30日更新 World Economic Forum『'Pandemic potential': New flu virus is found in Chinese pigs』 (2020年7月1日に利用)
https://www.weforum.org/agenda/2020/06/chinese-researchers-flu-virus-pigs-pandemic/