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「心ではなく、頭に従う」可能性が高い自閉症の人々


キングス・カレッジ・ロンドンの科学者たちは、自閉症を持つ人々は、彼らの意思決定において、障害のない人に比べてより論理的である理由、いわゆる「フレーミング効果」の影響を受けにくいのかを示しています。

1980年代にノーベル賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマン氏によって記された「フレーミング効果」は、意志決定が選択肢が限定された方法に基づいているという発見を意味します。
カーネマン氏と彼のグループは、何か決定を行うとき、人々は自分の感情を使用しているためであり、したがって、いくつかの選択肢により同じ成果を得られる場合であっても、他のものよりも望ましいと示します。

ギャンブルといった場面で70ポンドを与えられたとき、20ポンドをキープしようと思える方が50ポンドを失うと考える場合よりもギャンブルをする可能性が大きくなります。両者が数値的には等価であっても、です。
この場合、お金を失うという思想は、強い感情的な反応を作り出します。そして、人々はこれを防ぐために何かをしようと反応するのです。

研究では、感情的な意識は、アレキシサイミア(情緒障害)を持つ人には損なわれており、そうでない場合は、「感情的な盲目」としても知られることを示しています。

「感情的な盲目」は、自閉症を持つ人により一般的です。
これは自閉症者が感情的に動かされる「フレーミング効果」の影響を受けにくくしているこをと意味しえます。
研究者らは、アレキシサイミアを持つ人々は、本人の心拍の上昇がフレーミング効果に関係している可能性があるといった心臓の鼓動を感じるのが困難であるということもわかっています。

『自閉症分子』で本日発表された新しい研究では、自閉症のない人は、フレーミング効果に対する感受性を測定するためのコンピュータ化されたタスクを与えられました。
彼らは研究の最初から、繰り返し『損か得』が予めできた状況で、ギャンブルをする機会が与えられました。

また、参加者は彼らの内部感覚を知覚する方法も測定するために目を閉じて、自分の心拍数を数えるように求められました。最後に、感情的な意識についてアンケートを用いて測定しました。

自閉症のない人々は、お金を得ることができたときに比べて、お金を失う可能性がある状況でギャンブルをすることがほとんど2倍以上、高かったです。
自閉症の人々も対照群である非自閉症の人々と同じくらい頻繁にギャンブルをしましたが、お金を失うかもしくは得るかといったギャンブルの状況での間には、ほとんど差がありませんでした。

自閉症を持っていなかった人の中では、感情的な意識が良く、内部的な感覚に敏感な人は、ほとんどがフレーミング効果に最も感受性がありました。
これとは対照的に、フレーミング効果に対する感受性は、自閉症の人ではあまり顕著ではなかったです。それは、内部の感覚が感情的な意識の認識によって操作されていないからです。

著者らによると、これは彼らが意思決定をするとき、2つのグループは、異なる戦略を使用していたことを示しています。
自閉症のない人々が、『心に従い』自分の直感や感情を使用していた一方で、
自閉症を持つ人は、より多くのルールに従った合理的な戦略を使用ていたのです。
キングスカレッジロンドンの精神医学、心理学&神経科学研究所(IoPPN)のプニット シャー氏は次のように述べました。
「我々の研究は、自閉症における非定型心理的プロセスの証拠として追加されますが、それが有用である可能性がある状況では、「心ではなく、頭に従う。」とし利点を運ぶことができることを強調しています。
「自閉症を持つ人々は、「数字に強い」としばしば思われています。そのため、より合理的であるとも言えます。しかし、この理論は十分に理解されていません。我々の研究は、彼らが同じように、簡単に内部の感覚からの影響を受けたりしないので、自閉症の人々がより論理的な意思決定を行うことを説明するのに役立ちます。」

研究はまた、一部の人々がフレーミング効果の概念が発見された数十年後にその影響を受けやすい理由についての洞察を行っています。
プニット シャー氏は次のように追述しています。
「我々の研究は、複雑な意思決定は、心臓の鼓動を感じる程度の非常に基本的な生物学的プロセスに関連していることを示唆しています。」

(記事元)http://medicalxpress.com/news/2016-10-people-autism-hearts.html