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カルベジロールは、心不全の血管障害の予防においてメトプロロールよりも優位である

Nature Clinical Practice Cardiovascular Medicine volume 4, page299 (2007)

Remme WJ et al. (2007)

 

カルベジロールには、α-1 受容体だけでなく、β-1アドレナリン受容体および β-2 アドレナリン受容体の両方を遮断する機能がありますβ-1 受容体のみを遮断するメトプロロール治療と比較して、カルベジロールによる完全なアドレナリン遮断は、心不全患者の生存率と心血管転帰を改善することを示す証拠があります。

 

COMET (カルベジロールまたはメトプロロールのヨーロッパ試験) において、Remmeらは、二重盲検法でカルベジロールまたは酒石酸メトプロロールを状態の安定している慢性心不全患者3,029人に無作為に割り当てその結果を調べました。

 

平均58か月の追跡期間にわたって、1,511人の患者に25mgのカルベジロールを1日2回投与し、他1,518人の患者には50mgのメトプロロールを1日2回投与しました。

 

心血管関連死亡率、全心筋梗塞(MI)、不安定狭心症および致死性脳卒中の発生率は、カルベジロール群の方がメトプロロール群よりも有意に低い結果になりました(各P = 0.0004、P = 0.033、P = 0.049、P = 0.0006))。

 

また、カルベジロールは、複数の患者サブグループにおいて、多数の複合血管イベントの発生率を一定して減少させました。

 

MI、不安定狭心症、または脳卒中の総合エンドポイントのリスクは、心血管死または非致死的MIのリスクと同様に、カルベジロール群の方がメトプロロール群よりも19%低下しました。

全測定要素のうち、メトプロロールと比較してカルベジロールによって有意に減少しなかったのは、不安定狭心症および脳卒中による入院のみでした。著者らは、カルベジロールは心不全患者の治療においてメトプロロールよりも臨床的に優れていると結論付けており、この薬剤の血管保護特性と抗虚血特性がその優れた治療効果を説明する可能性があると示唆しています。

 

出典:https://www.nature.com/articles/ncpcardio0875