クロロキンの新しい配合薬は膵臓がんに有効？

新しい研究では、2つの薬を用いた併用療法が、膵臓がん治療に役立つ可能性があると述べられています。

水曜日に米国科学アカデミー紀要（PNAS）で発表された研究によると、

1つ目の薬はがん細胞の生存に必要な栄養素の再利用を可能にするリソソームと呼ばれるプロセスを阻害し、

2つ目の薬はDNA修復に使われる経路を遮断します。

研究者らは、マラリア治療に使用されるクロロキンを、500以上の異なる阻害剤と組み合わせ、

病気に対抗する反応を作り出せるかどうかを調べました。

彼らは、複製ストレス応答阻害薬として知られる補完阻害薬を発見した後、次のステップへ進みました。

次のステップで研究者らは、クロロキン単体治療が行われた、膵臓腫瘍細胞内の代謝物質と呼ばれる小分子を測定しました。

これにより、クロロキンはアミノ酸のひとつであるアスパラギンの減少に寄与することで、

DNAの複製と修復に必要なヌクレオチド生産を助けることが明らかになりました。

研究者らはプレスリリースにて、実験用マウスを用いたテストにより、

この治療法の膵臓癌細胞に対する高い有効性が確認できたと述べています。

膵臓がんの研究を行うハーシュバグ財団は、

膵臓がんは米国におけるがんによる死因の第3位であるため、この新しい研究は重要であると話します。

アメリカがん協会は、今年新たに膵臓がんと診断される患者は56,000人以上にのぼると推定しています。
全米癌研究所によると、この疾患の生存率は8.5％です。

膵臓がんはほとんどの治療に対して非常に耐性があり、これが生存率の低さの原因となっています。

研究者らは、以下のように述べています。

「この研究では、クロロキンを複製ストレス反応経路の阻害薬と組み合わせて使用することで、

膵臓がん患者の腫瘍増殖を減少させ、患者の予後改善に役立つことが証明されました。」

また、こう続けました。
「この調査結果はまた、既存の薬が別の疾患治療に対してどのように再利用できるかを学ぶことの重要性を示しました。」

出典：2019年3月21日更新『New drug combo shows promise against pancreatic cancer』UPI（2019年3月29日に利用）
https://www.upi.com/New-drug-combo-shows-promise-against-pancreatic-cancer/9971553176167/