サル痘は「mpox」に改名へ
2022 年 11 月 29 日の時点で、世界保健機関 (WHO) は、サル痘について、この病気にまつわる汚名を減らすために「mpox」と名称を変更すると発表しました。
「エムポックス（mpox）」
世界中の多くの非流行地域でこのmpoxの感染発生が始まって以来、人種差別的で汚名を着せる言葉がソーシャルメディアプラットフォームで広く拡散されています。
この問題に関して多くの個人や国から提起された懸念の増加を受け、WHO は、国際疾病分類 (CID) および国際健康関連分類の WHO ファミリーの下で使用されていた「サル痘」から置き換える「mpox」へのWHO通信の中での名称変更を推奨しました。
「サル(Monkey)」という名前を排除することで、サル痘に伴う偏見が取り除かれ、起こり得る誤った情報に対処できます。」
mpox 発生の現状
81,000 件を超える mpoxウイルス感染症が世界中の 110カ所の異なる場所で報告されており、そのうち103件は非流行地域です。
mpox ウイルスは、天然痘感染に似た症状を示すオルソポックス ウイルスであり、通常、中央および西アフリカ諸国で固有のウイルスです。
しかし、今年4 月に、世界の他の地域でいくつかの新しい mpox 症例が報告されました。
その多くは、男性と性交渉を行う男性 (MSM) の間で報告されました。
Mpoxの症状と感染
mpox ウイルスは感染してから約 3 週間後に症状が現れ始めます。
最も一般的なmpox感染症の症状は、性器や肛門、および手、足、胸、顔、または口を含む体の他の領域の上または近くにできる発疹です。
mpox 発疹によるにきび、あるいは、水ぶくれのような外観は、最終的に治癒する前にかさぶたになります。
mpox 感染では、発疹に加えて、発熱、悪寒、リンパ節の腫れ、疲労、筋肉痛、頭痛、および咳、喉の痛み、または鼻づまりを含む呼吸器症状を引き起こす可能性があります。
mpox の伝染経路で一般的な方法は、性交やハグ、キス、長時間に渡る顔面の接触など、感染した個人との皮膚と皮膚の接触によるものです。
この感染経路に加えて、mpox ウイルスは、感染した個人が以前に使用した汚染された物体や服などの布地、および表面との接触によっても感染する可能性があります。
ワクチン
米国では、『JYNNEOS』 および 『ACAM2000』 ワクチンがmpox ウイルスと天然痘ウイルスの構造上の類似性により、mpox ウイルスの拡散を防ぐことが承認されています。
以前に mpox に感染した個人と接触のあった個人では、将来 mpox にさらされる可能性が高いか、免疫不全であり、感染を防ぐためにいずれかのワクチンを接種するように推奨されています。
治療
重要なのは、特定の mpox 抗ウイルス剤の使用が承認されていないことです。
しかし、天然痘感染症の治療のために最初に開発された抗ウイルス剤は、mpox 感染症の治療にも有効である可能性があります。
現在、重度のmpox感染症を経験している、または重度の疾患のリスクが高いと考えられている人のみが、これらの治療を受ける資格があります。
たとえば、テコビリマット(Tecovirimat) は、mpox 感染のリスクのある患者を治療するための最初の治療薬と考えられています。
この抗ウイルス薬は、通常、T 細胞機能に重度の免疫不全があるか、天然痘/mpox ワクチン接種を受ける資格がない、ウイルス感染の危険がある個人への予防措置として投与されます。
Tembexa のブランド名でも知られるブリンシドフォビル（brincidofovir ）は、成人のmpox 感染症の治療に利用できる別の天然痘薬です。
重度の疾患が見られるまたは重度の感染のリスクがあるmpox陽性の個人のみがこの薬を摂取することができます。
これらの薬剤に加えて、ワクシニア免疫グロブリン静注 (VIGIV) およびシドフォビルがmpox 感染の治療に使用できる他の治療薬とされています。
【以下のリンクより引用】
Monkeypox renamed "mpox" in an effort to combat stigma
News Medical Net