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スタチンの服用および血圧試験後の長期的な心臓血管のメリット

( 2018年8月26日)  
血圧降下薬でスタチンを服用することで、心臓病や脳卒中による死亡率が大幅に低下する可能性があるという研究があります。 

ASCOT(Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial)の長期フォローアップデータから得られた知見では、試験が終了してから10年以上が経過した今も、高血圧患者においてのカルシウムチャネル遮断薬をベースとした治療とスタチンの併用は、もう一つの治療薬である、ベータ遮断薬ベースの治療を受けている患者、およびスタチンを服用していない患者よりも心臓発作や脳卒中などの心臓血管系を原因とした死亡率が低い水準です。  

研究者らによると、医療誌『The Lancet』に掲載されたこの知見は、高血圧患者をコレステロールおよび血圧降下剤で治療することが、心臓血管の長期的な健康という利益をもたらし、より早期に治療を開始した患者により良い効果が現われるという証拠を支持するものです。  
ASCOT試験は、高血圧に対する2つの別々の治療法を比較するために設定されましたが、特定の治療法の組み合わせが心臓発作や脳卒中の予防に効果的であるため早期に中止されました。 しかし、研究者らによると、新しい分析は、10年以上後に患者に利益をもたらすといった遺産効果を示しています。
しかし、著者らは、治験が終了してから10年以上が経過しており、患者が服用または処方されている可能性のある治療薬に関する完全なデータがないと強調しています。  

ロンドンのインペリアルカレッジとロンドンのクイーン・メアリー大学の研究者による最新の調査結果が、本日、ミュンヘンの欧州心臓学会(European Society of Cardiology Congress)で発表されました。  

ASCOTでは、英国、アイルランドおよびスカンジナビアの高血圧患者19,000人以上を無作為に、アムロジピン、ペリンドプリルと呼ばれるカルシウムチャンネル遮断薬、またはアテノロールなどのベータ遮断薬にチアジド利尿薬(試験においての血圧降下アーム、またはBPLA )を加えたグループの、2種類の血圧低下薬治療のうちの1つに割り当てました。  

その後、全患者の半分がさらに無作為化され、コレステロール低下薬のアトルバスタチンまたはプラセボ(試験においての脂質低下アーム、またはLLA )を投薬されました。  
2003年に、スタチンが心臓発作や脳卒中の予防に非常に有益であることが判明したため、治験の脂質低下アームは3年3カ月後に早期に停止されました。
治験が中止されてから2年以上経過した時点で、両群の参加者のほとんどがスタチンを服用していました。 2005年には、アムロジピンがアテノロールアームよりも多くの脳卒中や死亡を予防したため、血圧降下アームも停止されました。  
新しい分析では、英国に拠点を置き、2015年12月までフォローアップされたASCOT試験の8,580人の参加者の中での死亡数と死因を調べました。   16年間のフォローアップ後、計3,282人の患者が死亡していました。
アトルバスタチンで最初に治療された患者で、プラセボ群よりも少なくとも2年間以上スタチンを投与された患者のうち、最初にプラセボ群に割り当てられた患者と比較して、心血管死亡率は15%少ないという結果になりました。
また、最初からアムロジピンで治療された患者の場合、アテノロールと比較して、脳卒中による死亡は19%少ないという結果でした。  
このデータによれば、心臓血管死亡率は全体的に10%減少しているものの、後者は統計的に有意ではないことが示されています。  

長期的なメリット
ロンドンのクイーン・メアリー大学(Queen Mary University)のアジャイ・グプタ博士と共同研究を行ったインペリアルカレッジロンドン国立心臓および肺研究所のピーター・セヴァー博士は、「スタチンが試験後の死亡率に長期的な利益をもたらすことが以前に示されていましたが、私達が認識では、高血圧患者に心臓血管が原因での死亡を予防(特にカルシウムチャンネル遮断薬で治療された患者の脳卒中の予防)することに長期的なメリットがあることは以前は、示されていませんでした。」と語りました。  

また、セヴァー博士は、「今日の高血圧とコレステロールの治療に重要な意味を持つこれらの知見を説明する根底にあるメカニズムを研究し続けます。」と語りました。  
ASCOTの初期結果は、英国のNICEによって作られたものを含め、心臓病や脳卒中のリスクのある人々の血圧治療および脂質低下のための国内および国際のガイドラインに影響を与えました。  
この研究は、ファイザー社が提供する資金にて研究者が主導し行われました。セヴァー博士は国立衛生研究所のシニア調査官であり、研究者は国立健康研究所からインペリアルカレッジヘルスケアNHSトラストからのバイオメディカルリサーチセンター賞によりサポートされています。  

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.imperial.ac.uk/news/187807/long-term-cardiovascular-benefits-following-statins-blood/