電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / パーキンソン病、癌、2型糖尿病は共有される要素により病気が引き起こる

パーキンソン病、癌、2型糖尿病は共有される要素により病気が引き起こる

細胞にストレスがかかると、化学的警報が鳴り、細胞の最も重要となる動作を保護する一連の活動が始まります。

性急な行動の際には、パーキンと呼ばれるタンパク質がミトコンドリアを保護するために活発になります。

ミトコンドリアは、細胞のエネルギーを生成する発電所です。

現在、ソーク研究所の研究者は、細胞ストレスのマスターセンサーとパーキン自体との直接的な関連性を発見しました。

同じ経路が2型糖尿病と癌にも関係しており、3つの病気すべてを治療するための新しい道を開く可能性があります。

「私たちの調査結果は、パーキンの警報応答の最初のステップであり、大胆な試みにより見つけたものです。他のすべての既知の生化学的事象が1時間で発生するところ、この調査では、5分以内に発生するものが見つかりました。」

とルーベン・ショー教授は述べています。

彼はアメリカ国立がん研究所(NCI)指定のソーク癌センター(Salk Cancer Center)の所長であり、2021年4月7日のScience Advancesで詳述された新しい論文の上級著者です。

「細胞が欠陥のあるミトコンドリアを処理する方法でのこの主要なステップを解読することが、多くの疾患に影響を及ぼします。」

パーキンの働きは、細胞ストレスによって損傷を受けたミトコンドリアを一掃し、新しいミトコンドリアが代わりとなるようにすることです。

これはマイトファジーと呼ばれるプロセスです。

しかし、パーキンは家族性パーキンソン病で変異しているため、タンパク質は損傷したミトコンドリアを一掃することができません。

パーキンがミトコンドリアのストレスを感知してミトコンドリアのプロセスを開始することは科学者の研究により以前から知られていましたが、パーキンがミトコンドリアの問題を最初にどのように感知したのかは正確には理解されていませんでした。

代謝と癌の分野での研究でよく知られているショー教授の研究室では、オートファジーと呼ばれる細胞の洗浄とリサイクルのより一般的なプロセスを細胞がどのように調節するかを何年も集中的に研究しました。

約10年前、ミトコンドリアの損傷を含む多くの種類の細胞ストレスに非常に敏感なAMPKと呼ばれる酵素が、ULK1と呼ばれる酵素を活性化することによって、オートファジーを制御することを発見しました。

その発見に続いて、ショー教授と大学院生のポルティア・ロンバルド氏は、ULK1によって直接活性化されるオートファジー関連タンパク質のを探究し始めました。

彼らは約50種の異なるタンパク質をスクリーニングし、約10%が適合すると予想しました。パーキンがリストのトップに立ったとき、彼らは衝撃を受けました。

生化学的経路は通常、非常に複雑で、最大50経路が関与し、それぞれが次の経路を活性化します。

マイトファジーと同様に重要なプロセスが、最初はAMPK、次にULK1、次にパーキンの3経路によってのみ開始されることを発見したことは、非常に信じがたい驚きでした。

調査結果が正しいことを確認するために、チームは質量分析を使用して、ULK1がパーキンにリン酸基を結合している場所を正確に明らかにしました。

彼らはそれが、他の研究者により最近パーキンの活性化に重要であることがわかったもののその理由が不明であった新しいエリアに到達したことを発見しました。

その後、ショー教授の研究室のポスドクであるチェン・ミン・ファン氏は、正確な生化学的研究を行って、タイムラインの各側面を証明し、どのタンパク質が何をどこで行っているかを説明しました。

ショー教授の研究は、パーキンの活性化におけるこの重要な最初のステップを説明し始めています。

ショー教授は、AMPKからULK1を介してパーキンまでの指揮系統を下って、最初の損傷の波の後にミトコンドリアをチェックし、そして、 必要ならば、機能を取り戻すにはあまりにも深刻な損傷を受けているミトコンドリアを破壊させる「ヘッズアップ」シグナルとして機能する可能性を仮定しています。

調査結果には、幅広い意味があります。

細胞代謝の中心的なセンサーであるAMPKは、ショー教授が以前の研究で確立したように、多くの癌に関与するLKB1と呼ばれる腫瘍抑制タンパク質によってそれ自体が活性化され、メトホルミンと呼ばれる2型糖尿病薬によって活性化されます。

一方、多くの研究で、メトホルミンを服用している糖尿病患者は、癌と加齢の併存疾患の両方のリスクが低いことが示されています。

実際に、メトホルミンは現在、臨床試験で初めての「アンチエイジング」治療薬の1つとして調査が行われています。

「私にとっての大きなポイントは、ミトコンドリアの代謝と健康状態の変化が癌において重要であり、また、糖尿病でも重要であり、神経変性疾患でも重要であるということです。」

と、ショー教授は述べています。

「私たちの発見では、AMPKを活性化する糖尿病薬は、以前示されたように、癌を抑制し、神経変性疾患の患者の機能回復にも役立つ可能性があります。

これは、体内の細胞の健康を支える一般的なメカニズムが、想像されれいるよりはるかに統合されているためです。」

 

【以下のリンクより引用】

Parkinson's, cancer, type 2 diabetes share a key element that drives disease

Medical Xpress