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マラリア原虫は無症状の人の脾臓内で生存し複製する可能性があると研究が示唆

マラリアは、主に「熱帯熱マラリア原虫」と「三日熱マラリア原虫 (P. vivax)」 によって引き起こされる病気で、毎年 400,000 人以上が死亡しています。

以前は、抗マラリア治療後にマラリア原虫を排除するために、脾臓が主に寄生虫の撃退に関与すると考えられていました。

オープンアクセスジャーナルPLOS Medicine に掲載された、オーストラリアの研究機関である Menzies School of Health Research の スティーブン・コー氏とニコラス・アンスティ氏、および多国籍の同僚による研究は、三日熱マラリア原虫による慢性感染症では、マラリア原虫が生き残り、脾臓内で以前は検出されなかったライフサイクルを経て複製することが示されています。

三日熱マラリア原虫 (P. vivax) に感染した無症候性の被験者の脾臓では、そのままの状態の無性ステージ・マラリア原虫の大規模なバイオマスが蓄積します。

ただし、この反応の背後にあるメカニズムは不明です。

脾臓におけるマラリア原虫の蓄積をよりよく理解するために、研究者は、2015 年から 2017 年の間にインドネシアのパプアにおいて脾臓摘出術を受けた三日熱マラリア原虫と熱帯熱マラリア原虫に自然に感染した 22 人の脾臓組織を調べました。

著者らは次に、感染、寄生虫、網赤血球の密度、および脾臓全体の分布を分析しました。

研究者たちは、ヒトの脾臓が三日熱マラリア原虫の侵入の標的となる網赤血球の貯蔵庫となり、検査された脾臓にはマラリア原虫が相当数隠れたバイオマスが含まれていることを発見しました。

そして、無症候性三日熱マラリア原虫感染症では検出不能な脾臓内ライフサイクルが循環末梢血よりも数百倍から数千倍高い密度で発生していることが示されています。

この研究には、サンプルサイズが小さく、研究に参加したすべての個人の無症候性状態など、いくつかの制限がありました。

今後の研究には、急性の症候性マラリア症例が含まれる予定です。

著者は次のように述べています。

「私たちの発見は、マラリアの生物学と病理学の理解に大きく貢献し、脾臓での生存と複製を最大化するように進化した三日熱マラリア原虫に固有である適応性についての洞察となります。」





【以下のリンクより引用】

Malaria parasites may survive, replicate within the spleen of asymptomatic individuals, study suggests

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