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一番良い糖尿病薬とは何でしょうか?

  糖尿病の管理にはどの薬を服用するべきでしょうか? それは医師があなたの心臓の状態や腎臓病のリスクなど、また、あなた個人の病歴などのいくつかの重要な要因を考慮に入れて答える必要がある質問です。
医師に言われたことは疑いようがありませんが、2型糖尿病(T2D)があるだけで、心臓病にかかる危険性が高まるため両方の症状の治療に同時に取り組むべきです。
幸い、ここ数年の間に血糖値を制御しつつ、心臓病に関連するリスクを減らすことができる、より多くの薬剤が利用できるようになったとカリフォルニア大学ロサンゼルス校の内分泌学の助教授を務めるディーパシュリー・グプタ博士は述べています。  

糖尿病治療薬の変遷を振り返る
まず、彼女はリスクを現実的な観点から説明しました。 「糖尿病は冠状動脈性心臓病と心血管系死亡のリスクを2倍~4倍にします。」彼女は、血糖をうまく管理することが心臓病のリスクを減らすことと同じくらい重要であると言います。
次に、彼女は新薬の種類について 長所と短所の両方の簡潔な概要を述べました。
読み進めると、あなたは医師がなぜ糖尿病の管理のために薬の切り替えを提案しているのかが理解できるかもしれません。
過去の数年間、研究試験は糖尿病治療が血糖に及ぼす影響にのみに焦点を当てていたとグプタ博士は言います。
食品医薬品局(FDA)は、2007年まで患者の使用を承認するため、糖尿病薬が許容される安全性プロファイルで血糖値の持続的な低下を示すことだけを要求していました。
臨床試験中にロシグリタゾン(商品名:アバンディア)が心臓発作の危険性が約2倍(43%)になると発見されすべてが変わりました。
「この薬はもちろん2008年の初めにはかなり制限されました。」「これは、特に新しい糖尿病治療薬開発の分岐点でした。」
この驚くべき発見に応えて、FDAの諮問委員会は、心臓発作の危険性の増加について、アバンディアのパッケージ上に警告を追加するよう要求しました。 
FDAは、アバンディアを処方する前にリスク評価とリスク軽減手順を要求するという追加の措置を講じ、患者の服用利益がリスクを上回ることを確認したとグプタ博士は言います。  

心臓病予防が新しい糖尿病治療薬開発の中心に
その時点から、新薬は、既存薬と比較して心血管リスクの許容外の増加がないことを臨床試験で証明することにより安全性を実証しなければならなくなりました。  
FDAによると、研究者と製薬会社に対し、心血管疾患(CVD)に関連する重要な要因(脳卒中、心臓発作、心血管疾患による死亡、不安定狭心症の入院、緊急血管再生術の必要性)を検討内容に含みました。
このFDAのガイダンスは、糖尿病治療薬を血糖管理の改善のためにテストする際、心臓のリスクを考慮するという全ての臨床研究に影響を与えることにより、新しい糖尿病治療薬の開発に大きな影響を与えました。
新しい糖尿病薬について「現在40件の心血管転帰試験があります。」とグプタ博士は述べています。
焦点の大部分は、2つのクラスの薬物、ナトリウム - グルコース共輸送体−2(SGLT2)阻害剤およびグルコース様ペプチド−1(GLP − 1)アゴニストに集中していました。   SGLT − 2阻害剤の代表例は、カナグリフロジン(インボカーナ)、ダパグリフロジン(フォシーガ)およびエンパグリフロジン(ジャディアンス)です。
これらの薬は腎臓が血流にブドウ糖を再吸収するのを防ぐことによって作用します。これらは、ナトリウムグルコース輸送タンパク質として知られるタンパク質を阻害することによってそのように作用するのです。
GLP - 1アゴニストのクラスには、デュラグルチド(トルリシティ)、エクセナチド(バイエッタ)およびリラグルチド(ビクトーザ)などがあります。 これらの糖尿病薬は、膵臓がインスリンを産生するのを助ける、体によって産生されるホルモン(GLP-1)を模倣することによって作用します。  

糖尿病治療に2番目の薬を追加することの利点
SGLT-2阻害剤は、心血管死および鬱血性心不全のための入院のリスクを減少させることが示されているとグプタ博士は述べています。
彼女が引用した研究の中には、ジャディアンスに関するものがあり、糖尿病と既往心疾患の両方を持つ約7,000人の患者が約3年間追跡されています。
研究者らは、研究された主要な結果、心臓血管系の原因による死亡、致命的でない心臓発作、または致命的でない脳卒中の複合が、ほぼ14%減少したと報告しました。
「心血管系の改善はおそらく血糖の改善とは無関係に起こっています。」とグプタ博士は言います。  
2016年に、FDAは、心臓病と2型糖尿病の両方を有する成人患者における心血管疾患に関連した死亡のリスクを減らすために、ジャディアンスの適応を新たに承認しました。
GLP-1は心血管死や心臓発作や脳卒中などの心疾患イベントを軽減することが示されています。 この利点を示す研究の中で参加者の半数にリラグルチド(商品名ビクトーザ)が投与され、残りの半数にプラセボが投与されました。そしてその9,300人以上の被験者が約4年間追跡調査されました。
すべての被験者は、冠状動脈性心臓病など少なくとも心血管疾患を一つは患っていました。
研究者らは、少なくとも1つの心血管疾患、致命的でない心臓発作、または脳卒中を起こした2型糖尿病患者の死亡率を調べ、プラセボを投与されている患者とビクトーザを投与されている患者を比較しました。
薬を服用していた患者では、すべてのCVDによる有害転帰の発生率が低いという結果になりました。
2013年、FDAはロシグリタゾンの処方および調剤に関する制限を一部解除しました。 これは糖尿病における心臓転帰と血糖の調節について評価されたロシグリタゾンの研究結果記録で過度の心血管リスクの増加が示唆されなかったという2009年の研究での調査結果を踏まえています。
しかし、グプタ博士は、薬は慎重に使われるべきだと考えていると述べています。 
「薬の評判にはダメージとなりました。」 しかしながら、腎臓病の患者のリスクについてのどんな懸念も治療計画において考慮されなければなりません。
糖尿病管理におけるもう一つの転換点は2017年に起こりました。 FDAは、リラグルチド(ビクトーザ)の新しい適応症を承認しました。
これは、この糖尿病薬が成人におけるすべての大きな心臓病に関連する有害事象のリスクの低減に対して承認されたことを意味します。
SGLT-2阻害剤であるエルトグリフロジン(ertugliflozin)に関するさらに別の研究の結果が2020年に期待されているとグプタ博士は述べています。
別の一般的な糖尿病治療クラスであるジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)は、心血管リスクに対して「中立的」と考えられていると彼女は言います。
DPA-4の例はシタグリプチン(商品名:ジャヌビア)、サクサグリプチン(商品名:オングリザ)、リナグリプチン(商品名:トラジェンタ)、およびアログリプチン(商品名:ネシナ)です。
それらは、インシュリンの放出を促進、グルカゴンの産生を抑制し、胃内容排出を減少させるという、インクレチンのレベルを増加させ、それら全てが血糖値を調節するのを助けます。  

別の薬を服用するように忠告された場合は医師の指示に従いましょう
サンタモニカのUCLAメディカルセンターの内分泌学者であり、会議の議長を務めたゴンダ糖尿病センターの所長を務めるマシュー・フリービー医師は、このプログラムは糖尿病治療に関する現在の議論を非常によくまとめていると述べています。
医師は、慢性的に上昇した血糖値が、目、腎臓、および足への小さな血管(微小血管)合併症を増加させることを知っているとフリービー医師は言います。
糖尿病が長年にわたって十分に管理されていれば、この問題に関連するリスクは大幅に減少します。 
「それでも、糖尿病を患っている人々は、心血管疾患、特に心臓発作や脳卒中のリスクが高いため、同様の注意が必要です。」
糖尿病薬に関連する心疾患の転帰に焦点を当てた新しい研究からの知見は、2つのクラス -  GLP-1受容体アゴニストとSGLT-2阻害剤 - が心臓の健康にプラスの効果をもたらし、心血管系疾患による脳卒中と死亡のリスクを減らすことを示しました。

さらに、SGLT-2は心不全患者の入院率の低下をもたらすことが実証されていると彼は言います。
ピオグリタゾン(アクトス)は脳卒中のリスクを減らすことが示されていますが、彼は、他のクラスの薬がそのような肯定的な心疾患の利益を持っていることを示唆するデータはほとんどないと言います。
「したがって、米国糖尿病協会などの組織は、心臓病に罹患しているか、またはそのリスクの高い患者にはGLP-1受容体アゴニストとSGLT-2阻害薬の使用を推奨しています。」と述べました。
2型糖尿病患者のための標準的なケアは地中海スタイルの食事と毎日の身体活動を採用し、 ( 生活習慣についての指示を受けた上で)メトホルミンの服用から始めます。 医師は今、メトホルミンによる第二選択療法など、これらの新しいクラスの薬のいずれかを早く追加することの利点に対して、より良い理解を示しているとフリービー博士は述べています。
「糖尿病を患っている人々は、これらの薬の潜在的なリスクと利点医師と話し合うべきです。」と彼は言います。
血糖コントロールを改善し、心臓の健康を守るのに役立つ適切な薬を選ぶために直面​​しているその他のリスクを理解するためには、体重の増加を避け、または持続可能な減量をサポートし、全体的な健康に影響を与える可能性があるその他の健康上のリスクを考慮しなければなりません。 

最も重要な点は、医師が2回目(または3回目)の洗濯薬を追加するように勧めたときに、その重要性を理解し、定期的に服用することです。 自分の健康を、確実に賢く管理することができるように、費用も含め処方された薬の服用について、心配事がある場合は、医師に相談するべきなのです。  

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.endocrineweb.com/news/diabetes/61707