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世界の中で見る馬のクッシング病

ウマクッシング病としても知られる下垂体機能低下症(PPID)は、通常18歳以上のウマに発生します。
カナダの獣医学研究誌に最近発表された世界的な研究の結果では、PPIDの推定有病率、診断、および治療の概要が示されています。 

研究デザイン
調査者は国際的な獣医グループや組織を通したオンライン調査を実施し、ウマを診察する獣医師へ最近のPPIDの症例について評価を行いました。
そして2012年アメリカ馬協会の年次総会では紙面による調査が出席者に行われました。
治療タイプ別の回答を比較した線形回帰分析が、北米、南アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、中東、およびアフリカを含む地域別に行われました。

結果
20カ国の合計426人の獣医師へ調査が行われました。回答のほとんどは、アメリカとカナダからの物でした。
回答者の大半は馬の専門医(31.0%)、次に一般混合獣医師(15.3%)、大型動物専門医(12.2%)、および小型動物とウマの獣医師(11.0%)でした。

回答者の85%が少なくとも1つはPPID症例を見ていると報告し、症例数の中央値は獣医師1人あたり5人、ウマの症例数では1%でした。
PPIDと診断された馬の平均年齢は20歳です。
症例の67%が医学的に管理されていたのに対し、33%は代替方法で治療されたか、または全く治療されませんでした。

PPIDの治療に選択される薬物は、ほとんど独占的に市販されているか、または合成されたペルゴリドメシレートであり、シプロヘプタジン、
トリロスタン、およびブロモクリプチンはめったに選択されていませんでした。
こういった薬剤の代替治療法としては、食事療法、漢方療法、運動療法、鍼治療、免疫調節療法、寄生虫管理などがあります。

上記の治療が行われた理由には、クライアントの制限、薬剤不足、または治療が「保証されていない」ことがあります。
回答者の71%がPPIDが重要な馬の病気であると考えており、54%がこの病気を管理するための新しいアプローチの必要性を伝えていました。

著者らは、他の調査地域の開業獣医師からの反応が比較的少ないため、特定の統計分析を北米およびヨーロッパの獣医師のデータに限定しました。
これらの2大陸では、ウマの専門医療に従事している獣医師が、他の地域の獣医師よりも多くのPPID症例を報告しまていました。
回答者の27%が『臨床徴候の存在』がPPIDの唯一の診断材料と回答した一方で、最も一般的に行われた補助テストはACTH測定でした。

立地条件を含む調査された要因のどれもが、PPID症例の治療を行うかどうかの決定に関係していました。  

この研究では、馬を治療したほとんどの獣医師がPPIDの症例に遭遇していました。
多くの回答者のうち、特にヨーロッパ地域からの回答は、PPIDの診断に特定の検査ではなく『臨床徴候の存在』から判断していました。

PPDIでは、示唆に富んだ臨床徴候が、診断度も高く特異性があり、そしてPPIDの初期段階での決定的な診断試験はコンセンサスがありません。
著者らは、PPIDの診断と長期の疾患管理に関する世界的な研究についての必要性を伝えています。

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.americanveterinarian.com/news/equine-cushing-disease-around-the-world