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十代のうつ病発生を促進する要因とは

異常心理学ジャーナル(Journal of Abnormal Psychology)にに今月発表された研究では、過去10年間で精神障害を患う若者の数が2倍以上に増えたことがわかりました。
この研究では、1971年以降のアメリカでの薬物とアルコール摂取と精神機能障害に関するデータを集めた、薬物使用と健康に関する全国調査データが調査されました。
この調査は、2005年~2017年の期間に12歳~17歳の若者20万人以上、2008年か~017年の期間に40万人の成人が調査され、研究者らは驚くべき事実を発見しました。

若者の場合、大うつ病は2005年の8.7%から2017年の13.2%へ、52%の増加を見せました。
18歳~25若い成人では、2009年の8.1%から2017年の13.2%へ、63%の増加が見れました。

これらの数字は、全国の若者が直面する精神健康問題を浮き彫りにし、青年期のうつ病が増加する原因の解明が急がれます。
過去10年間、研究者はこれを必死に解明しようとしてきました。
残念ながら決定的な答えは見つかっていませんが、以下のようなデータから明らかになった5つの共通のテーマがあります。


1. 現代の診断
ジョンズ・ホプキンズ・ヘルス・レビューの記事で説明されているように、青年期のうつ病は比較的最近診断されるようになりました。
1980年代まで、メンタルヘルスの専門家たちは、思春期の脳が発達途中であり、若者のうつ病と同様に診断するのは適切でないと考えたため、気分障害を持つ若者の診断に対して消極的でした。
また専門家の間では、反抗期と呼ばれる時期に10代の気分のむらが起こることは完全に正常なことであると考えられていました。


2. 密接な繋がりや過剰な刺激
現代の若者が密接につながっていることに関して、疑いの余地はありません。
電子機器は若者の生活と密に絡み合っており、現実世界と仮想世界が混在しています。
Pew Research Centerの調査によると、10代の若者の95%がスマートフォンを使用し、45%が「ほぼ常時」使用しており、社会的支援や社会的比較のためにインターネットを利用する若者が増えているといいます。
異常心理学ジャーナルに発表された最近の研究では、うつ病や極度の不安、自殺傾向の急激な上昇は、若者のソーシャルメディア使用傾向に関連している可能性が指摘されました。
例えば、若者が他人からの「いいね!」やコメントに基づいて自分の価値を判断することは珍しいことではなく、個人の価値をこのような方法で測ることは実に不確定です。
ソーシャルメディアが若者の心理的な悪影響に結びついているのは当然のことと言えます。


3. 不確定な時代
どの世代も、その時代に影響されて形作られています。
現代の若者は、9.11以降の厳しい影の中で成長しました。
残念ながら、この世代はテロの恐怖についてあまりにもよく理解しています。
それが孤独な個人による襲撃であろうと、大規模なテロ攻撃であろうと、アメリカの若者は自分たちの生活の中で暴力を持って知り、暮らしています。
今日の若者は、コンサートやショッピングモール、レストラン、学校にいたるまで、他人への凶悪で臆病な攻撃によって今ある安心感が即座に取り除かれる時代に生きているという厳しい現実を理解しています。


4. 睡眠不足
不眠症または過眠症として説明される睡眠障害は、大うつ病性障害の主な症状の一つです。
10代の若者は睡眠不足になることで知られており、米国立睡眠財団が8.5時間から9.25時間の睡眠を推奨しているにもかかわらず、7時間程度の睡眠しか得られていないといいます。
研究では幾度にわたって若者の睡眠が不十分であることが示されており、これは気分の落ち込みやむら、いらだちを引き起こす可能性があります。

10代の間、若者は劇的な成熟と生理学的変化を経験しています。
したがって、精神的および身体的健康における睡眠の役割は非常に重要です。
良い睡眠は、身体的、認知的、そして心理的な健康に関連しています。
ゆえに、睡眠不足は健康問題、並びに認知障害や精神障害に関連しています。


5. コミュニティの欠如
私たちはストレスの多い時代に生きています。
現代的なライフスタイルは日々を多忙にし、それは子供たちの生活にも波及します。
この活発なメンタリティにより、私たちのコミュニティは衰退し、結果として対面での関わりが減少しました。

私たちの生活はより構造化され、組織化されつつあります。
テクノロジーに依存したハイペース社会な社会になる前は、子供たちはより構造化されていない遊びを楽しみ、より加工の少ない食品を食べ、日常的に運動をしていましたが、こうした習慣は無くなってしまいました。
現代の子供たちは、常に急かされ、成功するように圧力がかけられていると感じているといいます。

若者のうつ病はこの国を悩ませる懸念事項であり、米国予防医療専門委員会は12歳~18歳までの青年に対し、保護者が主要な抑うつ障害の検査を受けさせることを推奨しています。
しかし残念ながら、全ての人がこれを実施しているわけではありません。
10代のうつ病の特定には、医療関係者だけでなく、私たち全員の協力が必要となります。
私たちが若者と健全で信頼のおける関係を築き上げ、コミュニティを復活させる必要があります。


精神障害は、特に誰にも相談できない状況である場合、恐ろしい経験となり得ます。
幸いなことに、今日では多数の効果的なうつ病の治療方法が存在します。
あなたの子供や身近な人がうつ病を患っていると思われる場合は、専門家の助けを求めてください。
うつ病は治療可能であり、治療が早ければ早いほど効果的です。

出典:2019年4月22日更新 U.S.News『What's Driving the Rise in Teen Depression?』(2019年4月29日に利用)
https://health.usnews.com/wellness/mind/articles/2019-01-07/how-to-handle-a-panic-attack-at-work