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JapanRx / 大気汚染により女性の高血圧が増加している

大気汚染により女性の高血圧が増加している

大気汚染の影響は、世界中でさまざまな健康問題と関連しています。
質の悪い空気に長期間さらされると、喘息を悪化させ、肺機能を低下させることが広く知られています。

しかし、2つの新しい研究では、大気汚染の悪影響は過去に報告されていたよりも大きく、特に女性が被害を受けていることが示されました。
リトアニアでは、空気の悪いエリアの集合住宅に住む女性は心臓病や脳卒中、2型糖尿病にかかるリスクが高いことがわかりました。

この調査結果は、リトアニアのカウナスにある民家もしくは多層住宅の住民の健康診断を分析したことにより得られました。
研究者らは、周囲の大気汚染への長期的な曝露と、緑地や主要道路と住居との距離の関連性を調べました。

研究チームはまた、被験者のメタボリックシンドロームや高血圧の発症についても調査しました。
結果、交通関連の大気汚染にさらされた女性は、高血圧症の発症率が高まることがわかりました。

インドで行われた別の研究は、女性に対する大気汚染の同様の悪影響が示されています。
南インドの都市内集落では、女性の高血圧症発症率が高いことがわかりました。

研究者らはハイデラバード市周辺の28の集落に住む成人5,531人を調査し、年間の住居地での微小粒子状物質や黒色炭素への曝露に焦点を当てました。

疫学ジャーナル(journal Epidemiology)に掲載されたこの研究では、被験者女性の46%が未治療もしくは未診断の高血圧症であることが示されました。
この研究では、全ての被験者が高レベルの空気汚染にさらされていたと述べられています。

「研究対象となった女性は、1日の殆ど、87%を住居の近くで過ごしており、対して男性は57%でした。男性よりも女性に関連が強く見られたのはこれが原因でしょう。」と、この研究の筆頭著者であるアリアドナ・カート氏は声明の中で述べています。

別々の国で実施されたこれら2つの研究では、高所得国に住むか低所得国に住むかに関わらず、大気汚染は女性に悪影響を及ぼすことが確認されました。

ある専門家は、大気汚染は、動脈機能を変化させ得る炎症や酸化ストレスによって高血圧リスクの上昇を引き起こす可能性があると説明しています。
研究者らは、異なる地域における大気汚染の影響を完全に理解するには、さらなる研究が必要であると述べています。

出典: 2019年6月26日更新 Medical Daily 『More Women Suffer Hypertension Due To Air Pollution』(2019年6月28日に利用)
https://www.medicaldaily.com/more-women-suffer-hypertension-due-air-pollution-437474