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忘れないで感染症対策: 海外旅行に伴うリスク

バカンスや短期留学などで海外旅行が増える夏休み。
その際、忘れたくないのが現地の感染症に対する予防策だ。特に開発途上国では、日本でなじみのない病気も数多く流行しており、感染のリスクを減らすには事前の情報収集が欠かせない。
帰国者の健康チェックなど感染症の「水際対策」機関として知られる厚生労働省の検疫所は、そうした渡航前の情報収集にも役立つとして、専門家は活用を勧めている。  

▽リスクはつきもの。
厚労省などは7月上旬、羽田空港で「海外で学ぶ人、働く人の健康支援」をテーマに講演会を開き、参加した学校や企業などの関係者に注意を呼び掛けた。
 

国立国際医療研究センター (東京)トラベルクリニックの金川修造医長は「一般の人は海外旅行する際、感染症をあまり想定していない」と指摘する。
だが海外、特に途上国には、食べ物を介してうつる腸チフス、蚊が広げるマラリアや黄熱など感染症が数多い。
昨年夏、国内で拡大し問題になったデング熱も蚊が媒介するが、海外からの持ち込みは近年200例前後も報告されていた。

金川さんによると、途上国に1カ月滞在すると、旅行者の半数余りが体調を崩し、医療機関の受診が必要な人は1割近くいるとの研究がある。長期滞在や、都市より衛生状態が悪い郊外での滞在でリスクは高まる。
 
▽高いようでも海外での感染症を防ぐ積極的な手段となるのがワクチンだ。ただし健康保険は効かない。費用はワクチンの種類や医療機関によっても異なるが、同センターでは5千~1万数千円が多い(6月時点)。
一瞬ためらう金額かもしれない。

だが同センター感染症対策専門職の堀成美看護師は「ワクチンなどの出費を渋ると結局は高くつく」とずばり指摘する。堀さんによると、海外旅行での感染症のために希望就職先の面接を受けられなかった人や、新入社員研修に出られなかった人がいる。「リスク管理にはお金がかかるが、病気になってから払うよりはダメージが少な い」と堀さん。

注意したいのは、ワクチンの中には接種に時間がかかるものがあることだ。原因ウイルスで汚染された生水や食物の飲食によって感染するA型肝炎を例に取ると、日本で承認済みのワクチンは2~4週間の間隔を空けて計2回の接種が必要。長期滞在なら半年後に3回目を打つのが望ましい。厚労省はこのため、海外旅行に出発する3カ月以上前を目安に、早めに準備に取り掛かるよう勧めている。

ワクチン接種の有無にかかわらず、現地で医療機関にかかる必要が生じた場合に備え、旅行保険への加入も積極的に検討したい。


 記事元:http://www.47news.jp