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新しい睡眠方法は、記憶を保つ脳の能力を強化する

テルアビブ大学(TAU)とワイズマン科学研究所の研究者による新しい共同研究により、睡眠中の脳の記憶プロセスを強化する革新的な方法がわかりました。

この方法は、鼻孔に投与された香りにより記憶が呼び起こされるというものです。

 

睡眠が記憶をどのように支援するのかを研究者が理解するのに役立ち、将来的に、脳損傷後の記憶機能の回復、または記憶が引き金となることが多い、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に役立つ可能性があります。

 

新しい研究は、TAUで博士号を取得しており、ワイツマン科学研究所の学生であるエラ・バー氏が主導しました。

他の主任研究者には、TAUのサックラー医学部とサゴル神経科学部のユヴァル・ニル教授の他、ワイツマン科学研究所神経生物学科のヤディン・ドゥダイ博士、ノアム・ソベル博士、ロニー・パス博士らが含まれています。

 

この研究は 3月5日にCurrent Biology誌に掲載されました。

 

「睡眠中に脳内で記憶の統合プロセスが起こることがわかっています。」

とバー氏は説明します。

「長期間にわたる記憶保存のために、記憶情報は、新しい記憶の一時的な緩衝物として機能する脳の領域である海馬から新皮質に徐々に移行します。しかし、この移行がどのように起こるかはまだ謎のままです。」

「睡眠中に脳の片側だけで統合プロセスが発生することで、脳の半球間での活動を比較し、記憶の再活性化に対応する特定の活動を分離します。」

と、ニル教授は付け加えています。

 

バー氏は次のように述べています。

「基本的な科学的理解を促進するだけでなく、将来、この方法が臨床でも応用されることを望んでいます。例えば、心的外傷後の患者は、心的外傷を受けた出来事を思い出すときに、おそらくその感情的な内容に関連して脳の右半球でより高い活動が示されます。」

「我々が開発した技術は、睡眠中の記憶のこの側面に影響を与え、外傷記憶を思い出すことに伴う感情的なストレスを減少させる可能性があります。さらに、この方法は、脳卒中による片側脳損傷後のリハビリテーション療法を支援するためにも、更に開発することができる可能性があります。」

研究者は、人は自分の左側に関連する記憶は、ほとんどが右脳半球に保存され、その逆も同様であるという知識から始まりました。

この研究の参加者は、バラの香りを嗅ぎながら、コンピューター画面の左側または右側に表示される単語の場所を覚えるように指示されました。

その後、参加者は単語の場所の記憶についてテストされ、その後、研究室で睡眠を取りました。

参加者が昼寝をしていいる間に、バラの香りが再び投与されましたが、この研究では1つの鼻孔のみにそれが投与されました。

この「片側」の匂い伝達により、研究者は特定の脳の半球に保存された特定の記憶を再活性化し、高めることができました。

研究チームは、睡眠中の脳波による電気的脳活動も記録しました。

結果は、「片側」へバラの香りが送られることが、脳の2つの半球で異なる睡眠波につながることが示されました。

香りを受けたで半球は、睡眠中の記憶統合がより良いという電気的特徴が明らかになりました。

最後に、すべての中で最も重要なテストが行われ、参加者は昼寝から目覚めた後、眠りにつく前に、目にした言葉について2回目の記憶テストを受けました。

「参加者の記憶は、匂いの影響を受ける側で提示された単語の方が、反対側で提示された単語の記憶よりも有意に優れていました。」

とバー氏は言います。

「私たちの研究結果は、香りのような外部的なことがきっかけとなり、記憶統合プロセスを増幅できることを強調しています。」

と彼女は結論付けています。

「脳の嗅覚経路の特別な組織を使用することにより、脳の片側で記憶を局所的に操作することができます。

我々の発見は、海馬と大脳皮質の特定の領域での間の『夜間の対話』が記憶統合に関係するる可能性が高いことを示しています。 」

 

 

【以下のリンクより引用】

New sleep method strengthens brain's ability to retain memories

Medical Xpress