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JapanRx / 点鼻薬で善玉菌を投与された人々が髄膜炎から保護された

点鼻薬で善玉菌を投与された人々が髄膜炎から保護された

イギリスの医療研究開発機関、NIHR(National Institute for Health Research) )サウサンプトン生物医学研究センター、およびサウサンプトン大学のロバート・リード博士とジェイ・レイバー博士が率いる新しい免疫学的研究は、この種の研究では最初のものです。

彼らは共に、遺伝子を、無害なタイプの細菌に挿入しました。それらは鼻に残留し、免疫反応を引き起こします。次にこれらの細菌を点鼻薬を介して健康なボランティアの鼻へ注入しました。

Science Translational Medicine誌に掲載されたこの研究の結果は、髄膜炎を引き起こす細菌に対する強い免疫応答を示しました。

これらのデータは髄膜炎からの長期的な保護も示しています。

髄膜炎はすべての年齢層の人々で発症しますが、主に乳幼児や低年齢の子供、高齢者に発症します。

髄膜炎菌性髄膜炎は細菌性の病気であり、英国では年間1,500件の症例を引き起こしています。症状が現れてからわずか4時間で死に至る可能性があります。

成人の約10%は、鼻と喉の後ろに髄膜炎菌を持っており、発病の兆候や症状はありません。

しかし、一部の人々では髄膜炎菌が血流に侵入する可能性があります。

それは、髄膜炎や血液中毒(敗血症)などの生命を脅かす状態につながる可能性があります。

善玉菌であるナイセリア・ラクタミカ(N.lactamica, 喉頭常在菌)も一部の人の鼻の中に自然に住み着いています。
それらが鼻を塞ぐことで、重度の髄膜炎から守っています。その菌は親近の細菌である髄膜炎菌が体内に侵入する足掛かりとならないようにしているのです。

新しいデータは、この自然現象を利用することを目的とした研究チームの以前の研究に基づいています。

その研究は、ナイセリア・ラクタミカの点鼻薬が参加者の60%で 髄膜炎菌 が定着するのを防いだことを示しました。

それらの人々ではナイセリア・ラクタミカがその致命的な親近の細菌を締め出したのです。

それは、髄膜炎菌への置き換えを阻止するナイセリア・ラクタミカを効果的にするための研究を推進するものでした。

研究チームは、髄膜炎菌の主要な武器の1つである、鼻の内側を覆う細胞をつかむための粘着性のある表面タンパク質をナイセリア・ラクタミカへ置き換えらせることでそれを実現しました。

このタンパク質の遺伝子のコピーををナイセリア・ラクタミカのDNAに挿入することで、それを置き換えることもできます。

より強い免疫応答を誘発するだけでなく、それらの改変されたバクテリアはより長く残留しました。少なくとも28日間は存在し、ほとんどの参加者(86%)では90日経過しても残留が確認され、有害な症状は引き起こしませんでした。

医学研究評議会によって資金が提供されたこの研究の結果は、薬を使用せず生命を脅かす感染症を予防するこの新しい方法が確実であることを示しています。現在、抗菌薬耐性の増大という問題に直面しているため、その対処に重要な可能性のある方法です。

サウサンプトン大学の分子微生物学の上級研究員であるジェイ・レーバー博士は、次のようにコメントしています。

「この研究により、髄膜炎菌性疾患から人々を保護するための『組換えナイセリア・ラクタミカ技術』という可能性が特定されましたが、その基盤となるプラットフォームテクノロジーには、より幅広い用途があります。」

「理論的には、細菌を使用し任意の抗原を発現させることが可能です。つまり、上気道から体内に侵入する多数の悪玉菌と戦うためにそれらを適応させることができる可能性があります。ワクチンによる抗原の送達に加えて、合成生物での進歩は近い将来、遺伝子組み換え細菌を使用して治療用分子が製造され、そして、提供が行われる可能性もあります。」

NIHRサウサンプトン生物医学研究センターの所長であるリード博士は、次のように述べています。

「この研究は、遺伝子組み換えがされた善玉菌を含む点鼻薬を使用することによって、深刻な病気から人々を保護することが可能であることを示しました。
これは、将来、さまざまな病気から人々を守るための非常に人気のある治療方法として成功すると思われます。」



 

【以下のリンクより引用】

People given 'friendly' bacteria in nose drops protected against meningitis

Medical Xpress