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研究レポート:喫煙者がバレニクリンをやめようとすると抑うつ気分、タバコへの渇望と報酬価値が低下

『ジャーナルJAMA精神医学』に発表された研究によると、喫煙者は、ブプロピオンおよびプラセボと比較しバレニクリンを摂取した時に、

禁煙の確率が高くなり、全体的により禁煙率が上がります。

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの行動科学学部のポール シンシルピニ博士が率いるチームは、人気禁煙薬のバレニクリンとブプロピオンの相対的な有効性を検討ました。また、禁煙中の情緒的機能においての薬の効果を評価するために集中的なカウンセリングを行いました。
「全国調査は、成人の約20%が喫煙を続け、それは、低所得者層や精神疾患を持つ人々の間で、不均衡に高いのです。」
「喫煙者は煙草をやめようとすると、多くは、否定的な気分、集中困難、イライラなどのニコチン離脱症状を経験し、抑うつ症状の再発の可能性が高まる可能性も高いです。私達の調査結果は、バレニクリンを使用し禁煙をしようとしている人の方が、自力で禁煙しようとしているか、またはブプロピオンを摂取している人とは対照的に良い方向へ向かうということを示唆しています。」と、シンシルピニ博士は述べました。

「より多くの禁煙を試みる人々が禁煙による拒絶性症状を軽減できれば、彼らが今回、禁煙に失敗したとしても再度、試してみようと思うでしょう。」

本研究は、国立乱用薬物研究所から資金提供を受け、294人の禁煙希望者についてのデータを検討しました。
参加者はバレニクリン、ブプロピオンまたはプラセボの3つのグループに無作為に分けられました。
このQuitRXプログラムの参加者は、プログラムの12週間の投薬部分を通してと、また禁煙終了後、3ヶ月および6ヶ月に評価しました。

研究者は、禁欲についての4つの異なる測定値を使用し、プラセポなど全ての手段において、バレニクリンのみ、全ての期間で禁煙率を改善していることがわかり、この薬についての大規模な第3相臨床試験からの結果と一致していることがわかりました。
バレニクリンは一貫してブプロプリオンを上回りましたが、プラセボの比較とは異なり、サンプルサイズが小さかったため、統計的に有意性のあるものではありませんでした。

すべての参加者はQuitRxを介して大規模な禁煙カウンセリングを受けました。そして、ウィスコンシン州の喫煙撤退スケール(WSWS)、正と負の影響スケジュール、疫学研究抑うつ尺度のためのセンター(CES-D)を利用して、ニコチン離脱について評価しました。治療期間中、毎週、ニコチン離脱による情緒的機能を評価しました。
QuitRxで、科学者たちは、薬の単独効果、禁欲のみ、これら対策のそれぞれについての二つの組み合わせで特に人の気分に負の影響を与える鬱病の症状や喫煙への渇望を含む、ニコチン離脱の他の症状を評価しました。

【喫煙者のより良い気分、より少ない不安】

研究では、単独で、感情的な機能に禁欲の影響を測定した場合、どの薬を喫煙者が受取ったかに関係なく、喫煙を控えることができた人は、全体的に、不安や悲しみなどの負の影響のスコアが低いだけでなく、正の影響が高かったことがわかりました。
「喫煙それ自体が、非常に良好な抗うつ作用がないかもしれないことを示唆しているのは非常に興味深い発見です。」と、シンシルピニ博士は述べました。
「それはまた、喫煙を控えることができた人は、最終的に喫煙を続ける人たちよりも気分が良く感じることを示唆しています。」

この研究ではまた、非禁酒者に比べて、ブプロピオンまたはバレニクリンのいずれかを使用している人は、禁酒した際に悲しみの感情レベルが低かったことがわかりましたが、全体的な抑うつ症状といった点では、バレニクリン群がはるかに良い結果となりました。
バレニクリンを取っている人は、禁酒者と非禁酒者の両方でよりうつ症状が少なく見られました。
「これは、抑うつ症状を悪化させる可能性を示唆しているバレニクリンの市販後のデータがあるので、特に興味をそそられます。」と、シンシルピニ博士は述べました。
「この調査研究には含まれていなかったので、現在、精神疾患がありバレニクリンを使用している喫煙者を注意深く検証するより多くの研究が必要です。」

(記事元)http://medicalxpress.com/news/2013-03-varenicline-depressive-mood-craving-reward.html