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肺がん検診におけるリスクとは?

医師はガイドラインに従って、肺がん検診のメリットとリスクの両方を公開し、話し合うことが推奨されています。
しかし、ノースカロライナ大学(UNC)の研究者は、患者にとって適切な説明が必ずしも提供されないことを発見しました。

JAMA Internal Medicineにて8月13日、「肺がん検診の共同意思決定を評価する」というタイトルの研究が発表されました。

米国において肺がんはがん関連死の主要原因であり、2018年には154,050人が死亡すると推定されています。
早期にがんが発見されれば、生存率は向上します。

米国予防医療専門委員会は、喫煙者や喫煙歴のある人、55歳と80歳の個人の肺がん検診(LCS)を推奨しています。

しかし検診過程には、関連する3つのリスクが考えられます。
第一に、偽陽性の結果が出ることで、存在しないにもかかわらず癌の存在を誤って示してしまうことがあります。
これは不必要な検査や手術に繋がり、合併症の原因となることがあります。

第二に、患者にとって問題となるまでに進行しない可能性のある種類のがんを特定することで、過剰診断が起こる恐れがあります。
これもまた、不必要な治療を受けることに繋がります。

最後に、検査によって多くの放射線に繰り返し晒されることで、リスクは低いとはいえ、元々健康であったはずの患者のがん発症に繋がる恐れがあります。

UNCラインバーガーのカリフォルニアがん検診イニシアチブの理事であり、上席著者であるダニエル・ルーランド医師は、以下のように述べています。
「我々は肺がん検診が良いか悪いかについてはどちらの立場も取ってはいませんが、この複雑な決定は患者と共有すべきであるという意見は一致しているようです。」

”現実世界の実例からこっそりと観察したサンプル”であると表現されたこの調査結果は、ガイドラインが意図しているものからはかけ離れたものである可能性を明らかにしました。

研究チームは、肺がん検診に適していると推定された14人の患者と医師の間で行われたディスカッションから、音声記録の分析を行いました。
殆どの被験者(14任中9人)は女性で構成され、平均年齢は63.9歳でした。

結果として、肺がん検診に関する会話の質は”貧弱”であり、潜在的な危害やリスクについてのディスカッションは”事実上ないに等しい”内容であったと著者は述べています。
医師が被験者と肺がん検診に関する会話費やした時間は、平均約59秒(総訪問時間の8%)でした。

ルーランド医師は、次のように述べています。「サンプルは小さいものの、結果は揺るぎなく、我々が想定していた通りの内容となりました。」

ルーランド医師は、効果的なシステムと、患者がこうした医学的決定を下すために十分に情報を得るために必要となるより良いインフラの構築を奨励しています。

最後に彼はこう付け加えました。
「臨床支援スタッフが患者への教育、特に意思決定支援と呼ばれる教育ツールの提供を助けるより良い仕組みの構築が重要となるでしょう。」

Medical Daily 2018年08月14日
https://www.medicaldaily.com/what-are-risks-lung-cancer-screenings-426890