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JapanRx / 胸の痛みがある場合は、グーグル先生に頼ってはいけません

胸の痛みがある場合は、グーグル先生に頼ってはいけません

グーグルがあなたの検索履歴(自身の健康に関する検索も含め)をトラッキングすることに困惑を感じる人もいるかもしれませんが、このトラッキングが役立つこともあります。
例えば、人々の「胸痛」や「心筋梗塞」というワードの検索頻度を調査する時などです。
メイヨークリニックの研究者は、グーグルトレンドを利用して、パンデミック発生前後の、アメリカ、イタリア、スペイン、イギリスの人々がこれらのキーワードを検索した頻度を調べました。
心臓関連障害で救急救命室(ER)にかかるの数が減少したことが報告されていることを受け、研究者は、検索数に差があるかどうかを確認することに興味を持ちました。

パンデミックが始まって以来、急性冠症候群(ACS)の症状を発症した人が救急救命室に行くことが少なくなっています。
ACSは、心臓に血液(および酸素)が行き渡らないことで発生する疾患です。
心臓に長期間血液が送られないと、心筋が壊死し始めます。
メイヨークリニックの研究チームは、心臓発作を起こしている人の数自体が少ないのか、それとも同じ数の人が心臓発作を起こしているのに、病院やERに行く人が少ないだけであるのかを知りたいと考えていました。

研究の結果、胸痛に関する検索に関しては、「すべての国で検索数が少なくとも34%増加し、スペインでは84%と最大の増加が見られました。」
研究者らは、人々が心臓発作の発症リスクよりも、COVID-19にさらされるリスクを恐れたことで、ERの訪問者が減ったのではないかと推測しました。
しかし、心筋梗塞の検索と心臓発作の検索数に関しては、パンデミック前はほぼ同数でしたが、パンデミック開始後は検索数が減少しました。

「このことは、胸痛を感染症状と誤解している、もしくはCOVID-19の懸念から治療を受けることを自発的に避けているのではないかという懸念を生んでいます。」と、コノール・セネカル医師はプレスリリースで述べています。
セネカル医師はメイヨークリニック心臓病科の医師であり、この研究の筆頭著者を務めました。

チームは再びグーグルトレンドを使用して、他の関連検索を調べました。
「“胸痛の自宅療法”や“胸痛の自然療法”といった一部の検索数上昇は、人々が自分の症状を医療専門家による治療を受けることなく管理しようと試みていることを反映しています。」と、彼らは記事の中で述べています。

では、グーグルによって疑問は解明されたのでしょうか?
皆家に留まることが多くなっているのでしょうか?
研究者らは、この情報では彼らの理論を明確に証明することはできなかったものの、人々が自宅にいながら胸痛を経験しているのではないかという考えを裏付けるものとなったと結論づけています。
彼らは、公衆衛生当局がインターネットを使用して、胸痛を患う患者に、自分の状況が深刻であり、COVID-19を恐れるあまり緊急処置を受けずにいるべきではないことより良く周知すべきだと示唆しています。

主に胸の左側から中央に胸痛があり、脱力感や失神、肩、腕、首、顎の痛み、息切れがある場合は、グーグルに頼ってはいけません。
これらは心臓発作の典型的な症状です。
多くの場合、胸痛は胸が圧搾または圧迫されるに感じられ、痛みは現れては消えるのを繰り返すことがあります。
女性は必ずしも男性と同じ症状を示すとは限らず、吐き気が強く、頭がふらつき、気が遠くなることがあります。
できる限り迅速に緊急処置を受けてください。
アメリカ心臓協会は次のように述べています。
「初期兆候や症状が出たら必ず911(アメリカの救急電話番号)に電話してください。すばやく対処すれば、命を救うことができます。この前例のない時期であっても、病院に連絡することは依然として正しいことです。」

出典 2020年8月25日更新 Medical Daily『Don't Rely on Dr. Google if You Have Chest Pain』(2020年8月26日に利用)
https://www.medicaldaily.com/google-searches-heart-attacks-er-visits-down-455599