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軽度の喘息の子供への吸入器の使用は必要に応じて

セントルイスのワシントン大学医学部の新しい研究では、症状が発生したときに、軽度の喘息の子供が2つの吸入器(ステロイドと気管支拡張薬)を 使用することでこの疾患を効果的に管理できるという証拠を支持しています。

これは、症状に関係なく毎日ステロイドを使用し、症状が発生したときに気管支拡張薬を使用する従来の方法とは対照的です。

調査者によると、両方の吸入器の必要に応じた使用は、従来のプロトコルと同様に軽度の喘息に対して効果的です。

 

ステロイド吸入器は炎症を軽減し、気管支拡張薬はレスキュー吸入器とも呼ばれ、喘息発作の際に気道を弛緩させて呼吸を楽にします。

 

この研究は、喘息の不相応な治療を受けているアフリカ系アメリカ人の子供に焦点を当てました。

この研究は、Journal of Allergy and Clinical Immunologyに掲載されています。

「症状に基づき必要に応じた治療は、より少ない投薬量で同様の喘息コントロールを提供できることを嬉しく思いました。」

と、医学部の准教授である住野カハル博士は述べました。

「必要に応じて両方の吸入器を使用したグループの患者は、規定の1日の線量を吸入したグループのステロイド用量の約4分の1を使用しました。

また、患者と家族は、必要に応じて治療を行う際に喘息管理に対しての自主性が増えていると感じ喜んでいます。」

米国では、18歳未満の子供の約620万人が喘息を患っています。

白人の子供のうちでは、約7.4%が喘息を患っています。

アフリカ系アメリカ人の子供の間では、その統計はほぼ2倍の13.4%です。

米国アレルギー喘息財団によると、喘息発作は年間180万の緊急治療室訪問を占め、

アフリカ系アメリカ人は喘息のために入院する可能性が平均より3倍高くなっています。

 

この研究は、セントルイス地域全体の複数の小児科診療所でプライマリケアを行う医師によって実施されました。

そしてこのアプローチはプライマリケアでの環境で広く適用可能であり、単一の学術医療センターの研究者によって実施された場合だけで効果的ではないことを示唆しています。

学術医療センターの高度に制御された環境で実施された過去の臨床試験では、必要に応じた薬物療法が、必要に応じてレスキュー吸入器を用いた従来の毎日のステロイド治療戦略と同様に機能することが示唆されていました。

しかし、その戦略が個々のコミュニティの医療行為にどれほどうまく伝わるかは、未解決の問題でした。

この代替の、必要に応じた症状をベースとしたアプローチは、子供のプライマリケアを行う医師によって投与される場合に効果的であるだけでなく、 研究者は、このアプローチにより、子供が毎月取るステロイド薬の線量をほぼ75%削減できることを発見しました。

この研究には、喘息コントローラーステロイド薬で適切に制御された軽度の喘息がある6歳〜17歳の206人のアフリカ系アメリカ人の子供が含まれて いました。

研究参加者は、セントルイス地域全体の12件のプライマリケアを行う医療機関での小児科医の診察を受けました。

患者は2つのグループのいずれかにランダムに割り当てられました。

 1つ目のグループの各参加者は、症状が生じたときに必要に応じてステロイドのベクロメタゾンを含む吸入器から、緊急時のレスキュー気管支拡張薬アルブテロールとともに服用するように勧められました。

薬の使用を促す可能性のある症状には、息切れ、胸の圧迫感、咳、喘鳴、身体活動が困難であるなどでした。

2つ目のグループの各参加者は、症状に関係なく、ステロイドベクロメタゾンの特定の吸入用量を毎日服用すること、および症状に応じて必要に応じて救助気管支拡張薬を服用するように助言されました。これは、喘息のガイドラインによる約30年間の標準推奨に従ったものでした。

1年間の研究の終わりに、研究者たちは、患者の喘息がどれだけうまく制御されているかを調査したグループ間で差がなく、肺機能を測定する呼吸  テストにも差がないことを確認しました。

また、喘息発作のために診療所や緊急治療室を訪れたなどの追加の医療手当を受けた参加者の数に違いはありませんでした。

予想されるように、吸入コルチコステロイドであるベクロメタゾンを毎日服用しているグループは、症状ベースのグループよりも月に多くの薬を使用していました。

平均して、毎日薬を使用するグループの子どもたちは1か月あたり1,961mcg(マイクログラム)を使用しましたが、症状ベースで投薬を行ったグループ では1か月あたり526mcgを使用し、この薬の服用量ではほぼ4分の3に削減できました。

ステロイドには発育不良を含む副作用があるため、研究者によると、減少した量の方が望ましいとされています。

「多くの家族がこの薬のコストと成長に関連する副作用を心配しており、ステロイド薬の服用を完全にやめています。そのため、必要に応じて使用する薬の量が少ないほど効果的であることを示すのは良いことです。」

 「この必要に応じたステロイドと緊急薬のアルブテロールでのアプローチは、喘息のグローバルイニシアチブガイドラインにおいて、軽度の喘息の  治療の選択肢の一つとして推奨されています。

私たちの研究と他の研究結果を考えると、プライマリケアを行う医師は、軽度の喘息患者には、吸入ステロイドを毎日服用するのではなく、      別の効果的な治療方法があると伝えることができるかもしれません。

スミノ博士と博士のグループの研究者はまた、必要に応じて薬を服用しているグループの子供と保護者は、医師の指示に受動的に頼らず、      自分たちで喘息治療を積極的に管理していると感じたことを報告したと述べました。

言い換えれば、症状ベースの戦略は、喘息管理に対する主導権を患者に持たせたのです。これは病気の長期的な管理においては重要です。

 

【以下のウェブサイトより引用】

Children with mild asthma can use inhalers as needed

Medical Xpress