イムラン
イムラン(アザチオプリン)は、免疫抑制剤です。臓器移植、ネフローゼ症候群および関節リウマチにおいて使用されます。身体の免疫システムの作用を減少させ、移植臓器の拒絶反応を予防します。
イムラン
アザチオプリン, Azathioprine
イムラン, Imuran
100
GSK
錠
25mg, 50 mg
インド, トルコ
2277
【イムラン (アザチオプリン)】食事と一緒に服用下さい。
【イムラン (アザチオプリン)】アルコールとの相互作用は不明です。 医師にご確認下さい。
【イムラン (アザチオプリン)】妊娠中に使用するのは安全ではありません。ヒトの胎児へのリスクがあるという肯定的な証拠がありますが、例えば生命を脅かすような状況で妊婦へ使用する利益がリスクを上回る場合には許容される可能性もあります。医師にご相談ください。
【イムラン (アザチオプリン)】母乳育児中の使用は、安全ではありません。ヒトでの研究データが限られていることから、この薬は乳児にとって重大なリスクになる可能性があります。
【イムラン (アザチオプリン)】車の運転などに影響を及ぼすかどうかは不明ですが、反応や集中力に影響するような症状が見られた場合は、車の運転や機械の操作は控えて下さい。
【イムラン (アザチオプリン)】腎疾患がある場合は、注意が必要です。用量調整の必要がある可能性があります。医師へご相談下さい。腎疾患が重度である場合は推奨されません。
【イムラン (アザチオプリン)】肝疾患がある場合は、注意が必要です。用量調整の必要がある可能性があります。医師へご相談下さい。肝疾患が重度である場合は推奨されません。また、治療中は肝機能の定期的なモニタリングが推奨されます。
イムラン(アザチオプリン)


イムラン(アザチオプリン)の使用方法
イムラン(アザチオプリン)は、臓器移植後の拒絶反応の抑制や、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患の治療に使用される免疫抑制薬です。
医師の指示に従い、毎日決まった時間に服用してください。服用中は定期的な血液検査や肝機能検査が必要となります。また、感染症にかかりやすくなるため、手洗いやうがいなどの感染予防を心掛けてください。
風邪やインフルエンザなどの感染症にかかっている人との接触はできるだけ避け、発熱や喉の痛みなどの症状が現れた場合は速やかに医師へ相談してください。
イムラン(アザチオプリン)の一般的な副作用
イムラン(アザチオプリン)の主な副作用として、以下の症状が報告されています。
・吐き気
・食欲不振
・白血球減少
・血小板減少
・貧血
・発熱
・細菌感染症
・真菌感染症
・ウイルス感染症
・倦怠感
・肝機能異常
これらの症状は服用開始後や用量調整時にみられることがあります。免疫機能を抑制する作用があるため感染症のリスクが高まり、重症化する場合もあります。
発熱、喉の痛み、異常な出血やあざなどがみられた場合は速やかに医療機関を受診してください。
基本情報
イムラン(アザチオプリン)は、有効成分アザチオプリンを含有する免疫抑制薬です。
体内で6-メルカプトプリンへ代謝され、リンパ球をはじめとする免疫細胞の増殖を抑制することで、過剰な免疫反応を抑える働きがあります。
もともとは臓器移植後の拒絶反応を防ぐ目的で開発された薬剤ですが、現在では関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患の治療にも広く用いられています。
これらの疾患は、本来身体を守るはずの免疫システムが自身の組織を攻撃してしまうことで発症しますが、アザチオプリンはその異常な免疫反応を抑制することで症状の改善や再発予防に役立ちます。
特に潰瘍性大腸炎やクローン病では、ステロイド治療後の維持療法として使用されることが多く、長期的な疾患のコントロールに有用とされています。
また、関節リウマチでは関節の炎症や腫脹を軽減し、関節破壊の進行を抑えることが期待されています。
さらに、ネフローゼ症候群や一部の膠原病などにも使用されることがあり、さまざまな自己免疫疾患の治療選択肢の一つとして位置付けられています。
一方で、免疫機能を抑制する作用により感染症にかかりやすくなるほか、骨髄抑制による白血球減少や血小板減少、肝機能障害などの副作用が発現する可能性があります。
そのため、治療中は定期的な血液検査や肝機能検査を受けながら安全性を確認することが重要です。
自己判断で服用を中止すると病状の悪化や再燃につながる可能性があるため、必ず医師の管理のもとで継続的に使用してください。
免疫抑制剤とは・・・
免疫抑制剤とは、体内の免疫機能を適度に抑えることで、免疫の過剰な働きをコントロールする薬です。
本来、免疫は細菌やウイルスなどから体を守る重要な仕組みですが、免疫が自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまうと、関節リウマチや潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患を引き起こします。
免疫抑制剤は、この異常な免疫反応を抑え、炎症や組織の損傷を軽減する目的で使用されます。
また、腎臓や肝臓などの臓器移植後には、移植した臓器を異物と認識して攻撃する「拒絶反応」を防ぐためにも欠かせない治療薬です。
代表的な免疫抑制剤には、アザチオプリン、タクロリムス、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチルなどがあり、それぞれ作用する仕組みや適応疾患が異なります。
一方で、免疫機能を抑えるため、感染症にかかりやすくなったり、感染が重症化しやすくなったりするリスクがあります。
そのため、発熱や咳、のどの痛みなど感染を疑う症状が現れた場合は、速やかに医療機関へ相談することが大切です。
また、定期的な血液検査によって白血球数や肝機能・腎機能などを確認しながら、安全に治療を継続する必要があります。
免疫抑制剤は自己判断で中止すると病状が悪化する可能性があるため、必ず医師の指示に従って正しく使用することが重要です。

【参照文献】
以下のウェブサイトを参照させていただきました。引用元の皆様に心より御礼申し上げます。
日本リウマチ学会
日経メディカル
用法・用量
*添付文書をよく読み、医師に指示された服用方法に従ってください。
*用量は病状等により異なりますので以下は目安としてお読みください。
イムラン錠の必要用量は、症状の種類や重症度によって異なります。
また、用量は年齢や体重、肝臓及び腎臓の機能具合によって変更されます。
【臓器移植の拒絶反応抑制】
初日の投与量:
通常、体重1kgあたり最大5mgを服用します。
その後:
通常、体重1kgあたり1~4mgを服用します。
【その他症状】
初回投与量:
通常、体重1kgあたり1~3mgを服用します。その後、医師により用量が減量されることがあります。
【服用を忘れた場合】
イムラン錠の服用を忘れた場合は医師に連絡して下さい。
忘れた用量を補うために倍量服用しないで下さい。
警告
イムラン(アザチオプリン)は強力な免疫抑制作用を有するため、使用には十分な注意が必要です。
・本剤成分に対する過敏症既往歴のある患者には使用できません。
・感染症の発症や重症化には注意が必要です。
・定期的な血液検査を受けてください。
・肝機能障害や腎機能障害のある患者への投与は慎重に行ってください。
・発熱や喉の痛みなど感染症の兆候に注意が必要です。
・異常な出血やあざがみられた場合は医療機関へ連絡してください。
・妊娠中または妊娠の可能性がある場合は服用前に医師へご相談ください。
・投薬中は生ワクチン接種を避けてください。
禁忌
以下に該当する場合は使用できません。
・本剤成分に対して過敏症の既往歴がある
・重篤な感染症に罹患している
・重度の骨髄抑制がある
・重篤な肝機能障害がある
・重篤な腎機能障害がある
・出血性素因がある
・活動性ウイルス性肝炎に罹患している
・レッシュ・ナイハン症候群である
慎重投与
以下に該当する場合は、慎重に投与する必要があります。
・高齢者
・肝機能障害
・腎機能障害
・感染症の既往歴がある
・骨髄機能低下がある
・ワクチンの接種予定がある
・他の免疫抑制薬を使用している
相互作用
併用薬によってはアザチオプリンの作用が強くなったり、副作用が増加したりすることがあります。
主な相互作用として以下が報告されています。
・アロプリノール
・メサラミン
・アサコール
・ペンタサ
・オルサラジン
・スルファサラジン(アザルフィジン)
・アミノサリチル酸製剤
・抗凝固薬
・その他の免疫抑制薬
特にアロプリノールとの併用ではアザチオプリンの血中濃度が上昇し、重篤な骨髄抑制を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
妊娠中または妊娠している可能性のある女性への投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合に限り慎重に行われます。
授乳中は有効成分や代謝物が母乳中へ移行する可能性があるため、授乳を中止するか本剤の使用を避けることが推奨されます。
妊娠を希望する場合や妊娠計画中の場合は、治療開始前に必ず医師へ相談してください。
男女ともに適切な避妊について指導を受けることが望まれます。
保存等
・直射日光、高温多湿を避けて保存してください。
・室温で保管してください。
・小児の手の届かない場所に保管してください。
・他の容器へ移し替えないでください。
・使用期限を過ぎた製品は使用しないでください。
・破損や変色が認められる場合は使用を中止してください。
イムラン(アザチオプリン)は免疫抑制作用を有するため、適切な管理のもとで使用することが重要です。
定期的な検査を受けながら、医師の指示に従って継続的に服用してください。

【参照文献】
以下のウェブサイトを参照させていただきました。引用元の皆様に心より御礼申し上げます。
KEGG
日本薬局方
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イムラン(アザチオプリン)とはどんな薬ですか?
アザチオプリンは「免疫抑制剤」に分類される代謝拮抗薬(プリン拮抗薬)です。
もともとは臓器移植時の拒絶反応の抑制薬として開発されましたが、現在では潰瘍性大腸炎・クローン病・自己免疫性肝炎・全身性エリテマトーデスなどのリウマチ性疾患、重症筋無力症など、幅広い自己免疫疾患の治療に使われています。
商品名はイムランのほか、アザニンというジェネリックでも知られています。
イムランはどんな病気に使われますか?
主な適応症は次のとおりです。
*臓器移植後の拒絶反応抑制(腎・肝・心・肺移植など)
*ステロイド依存性のクローン病・潰瘍性大腸炎の寛解導入・維持、自己免疫性肝炎
*全身性エリテマトーデスなどの治療抵抗性リウマチ性疾患
ステロイドを減量すると症状が悪化してしまう患者さんに追加することで、ステロイドの減量・中止を可能にする薬としても重要な役割を果たしています。
イムランはいつから効果が出ますか?すぐに効きますか?
いいえ、即効性はありません。遅効性の薬で、効果の発現には2〜3か月程度かかることがあります。
そのため効果が出るまでの間は、ステロイドを一時的に増量したり、ステロイドの減量ペースを緩やかにするなどの対応が必要です。
治療効果の判断には白血球数やMCV(平均赤血球容積)といった血液検査の値が指標として使われ、自己判断で服用を中断せず、根気よく継続することが大切です。
イムランの副作用にはどんなものがありますか?
比較的よく見られる副作用として、発疹、食欲不振、吐き気、下痢、発熱、悪寒、脱毛、口内炎などがあります。
重篤な副作用としては、感染症にかかりやすくなる、出血傾向、肝機能障害、そして特に注意すべき重度の白血球減少(骨髄抑制)があります。
体調の変化(高熱、強いだるさ、皮下出血、急な脱毛など)を感じた場合は、すぐに医師・薬剤師に相談してください。
イムランを始める前にNUDT15遺伝子検査が必要と言われました。なぜですか?
アザチオプリンの副作用の中でも、服用開始後早期に起こる重度の急性白血球減少や全身脱毛は、NUDT15という遺伝子の多型と強く関連していることが分かっています。
日本人の約20%がこの多型(NUDT15 R139C)をヘテロ型で持っているとされ、欧米人より日本人に多い特徴があります。
2019年からこの検査は保険承認されており、初めてアザチオプリンなどのチオプリン製剤を使う患者さんには、投与前に遺伝子型を確認することが推奨されています。
Cys/Cys型(ホモ接合型)の場合は重篤な副作用のリスクが非常に高いため、原則として使用を避けるべきとされ、Arg/Cys型など一部の型では低用量からの開始が検討されます。
NUDT15遺伝子検査とは
NUDT15遺伝子検査は、アザチオプリンや6-メルカプトプリンなどのチオプリン系免疫抑制薬に対する体質を調べる検査です。
NUDT15遺伝子に特定の変異がある場合、薬を通常量で服用すると重度の白血球減少や脱毛などの副作用が起こりやすくなります。
特に日本人を含むアジア人では変異を持つ人が比較的多いため、治療開始前に検査を行うことで適切な投与量の決定や重篤な副作用の予防に役立ちます。
【参照文献】
日本炎症性腸疾患学会
SRL総合検査案内
イムランの正しい飲み方を教えてください。
食後に水またはぬるま湯で服用することが推奨されています。
空腹時に服用すると胃腸への刺激が強くなる可能性があるため、食事と一緒に摂ることで消化器系への負担を軽減できます。
飲み忘れた場合は気づいた時点で服用しますが、次の服用時間が近い場合はその回を飛ばし、2回分を一度にまとめて服用しないようにしてください。
決められた用法・用量は必ず守り、自己判断で量を増減しないことが重要です。
イムラン服用中に気をつけるべき飲み合わせ(併用注意薬)はありますか?
はい、特に注意が必要なのはアロプリノールという痛風治療薬です。
アロプリノールと併用すると、アザチオプリンの血中濃度が上昇し、副作用が強く出やすくなるため、用量調整が必要になることがあります。
そのほかにも相互作用が知られている薬剤があるため、現在服用しているすべての薬(市販薬・サプリメントを含む)について、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
イムランは妊娠中・授乳中でも使えますか?
欧米からの報告では胎児への影響が比較的少ないとされており、妊娠中のチオプリン製剤(アザチオプリン)服用は禁忌とはされていません。
ただし、近年の研究では、母親が服薬していても胎児自身がNUDT15の代謝活性が低い遺伝子型を持つ場合、胎生死(流産)のリスクに関与する可能性が動物モデルで示唆されており、議論が続いている分野です。
妊娠を考えている方・妊娠中の方は、自己判断で中止・継続を決めず、必ず主治医に相談してください。
イムランを服用中に肝臓や腎臓に問題が出た場合はどうなりますか?
肝機能障害または腎不全のある患者さんでは、通常投与量の下限を用いることが望ましいとされています。
投与中は血液検査・肝機能検査・腎機能検査などの臨床検査値を慎重に観察し、異常が認められた場合はさらに減量を検討する必要があります。
腎機能や肝機能が低下している方、出血しやすい体質の方は副作用が強く出やすいため、必ず事前に医師へ伝えてください。
イムランを途中でやめても大丈夫ですか?急にやめるとどうなりますか?
自己判断での突然の中止は避けるべきです。
アザチオプリン療法を中止する際には慎重な経過観察が必要で、突然の中止は元の疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)の再燃・悪化につながるおそれがあります。
薬を減らしたり止めたりしたい場合は、必ず主治医と相談しながら、段階的に進めることが推奨されます。